アミノ酸度・アミノ酸

【English】
Amino acidity (level of amino acids); amino acid(s)

アミノ酸とは、アミノ基とカルボキシル基の両方の官能基を持つ有機化合物の総称であり、狭義には生体の蛋白質の構成単位となる「α-アミノ酸」を指す。

清酒中のアミノ酸は、塩類として存在しており、これが低級ペプチドと共に弱い甘味、旨味、酸味や苦味を呈して清酒の味を構成している。アミノ酸が多い場合は雑味の多い飲みにくい酒となり、少ない場合はきれいな薄い酒となる。アミノ酸の主体はグルタミン酸、グリシン、アラニン、バリン、アルギニンなどである。グルタミン酸ソーダは副原料としても使われる場合もある。

アミノ酸度の測定には国税庁所定分析法としてフォルモール滴定法が採用されている。アミノ基を中性または微アルカリ性下でフォルムアルデヒドと縮合させて、モノメチロールまたはジメチロール化合物を作らせ、遊離カルボキシル基を測定する方法である。清酒10mℓを中和後、フォルムアルデヒドを加えて遊離したカルボキシル基を中和するに要する0.1N-NaOHの滴定mℓ数をアミノ酸度と呼んでいる。

平均的な清酒のアミノ酸は1.0~2.0 であり、1.0より低いと淡麗な低アミノ酸酒、2.0より高いと濃醇な高アミノ酸酒と言えるだろう。なお、国税庁の市販酒調査(2012年度)によれば、アミノ酸度の一般酒、吟醸酒純米酒の平均は、それぞれ1.25、1.30、1.54である。