日本酒度

【English】
Sake metre value (SMV)

清酒の比重を表示するために設けられた単位で、日本酒度=(1/比重-1)×1443の関係式で表示される。同じく比重の単位であるボーメ度とは、日本酒度=-10×ボーメ度 の関係がある。日本酒度が-30より小さい、つまり比重として重い場合は、日本酒度を使わずボーメ度を使うのが通例である。

日本酒度は、15℃の清酒に日本酒度計(浮秤)を浮かせて測定する。15℃で4℃の純粋な水と同じ重さのもの(比重1のもの)は、日本酒度は(±)0となり、それより軽いものは正の値、重いものは負の値となる。したがって15℃の純粋な水の日本酒度は(±)0ではなく(+)1.26となる。

清酒の甘味は糖分に由来し、糖含量が多くなれば比重が大きくなり、日本酒度は(-)側に傾く。また清酒の辛味はアルコールに由来するもので、アルコール含量の多い清酒は(+)側に傾く。したがって、甘いものは(-)、辛いものは(+)側へ傾くので、日本酒度は清酒の甘辛を知るための指標として一般に使われている。

ただ、甘辛は官能による判断であり、日本酒度は比重に対応する値であって、必ずしも一致しない。ブドウ糖は直接甘味を感じるが他の糖は日本酒度表示に影響を与える度合ほど甘味を感じない。また清酒中に含まれる酸の量によって甘辛の感じ方が違ってくる。が多いと辛く感じ、少ないと甘く感じる。

平均的な清酒の日本酒度は0.0~+5.0 であり、0より甘い(つまりマイナス側である)と甘口酒、+5より辛いと辛口酒と言えるだろう。なお、国税庁の市販酒調査(2012年度)によれば、日本酒度の一般酒、吟醸酒純米酒の平均は、それぞれ+3.7、+4.3、+4.0である。