甘口・辛口

【English】
Sweet, dry

飲んで甘いと感じる清酒を甘口と言い、甘いと感じない清酒を辛口という。清酒中の甘味は主としてエキス中に含まれるグルコース量による。清酒発酵は原料米のデンプンから由来の酵素によって生成するグルコースを酵母がアルコールに変換する反応が主工程であるが、アルコールに変換されなかったグルコースが多く残存した清酒は甘口となり、酵母がグルコースを多く取り込み、グルコース残存量が少なかった酒は辛口となる。

ただし、グルコース量は上槽火入れまでの間に、二糖類、オリゴ糖、デキストリンなどを基質として増加するので、火入れのタイミングによっても変化する。また、同一のグルコース量でも清酒中の有機酸量が多い方が甘みを抑えて辛く感じるので、甘辛を一概にグルコース量のみによって判断することはできない。

近年、グルコース濃度(%)-酸度(ml)の値を甘辛の指標とする新甘辛度が提案されている。計算時はグルコース濃度、酸度ともに小数点第2位で四捨五入した値を用い、以下の通りである。

 

辛口:甘辛度≦0.2:

やや辛口:0.3≦新甘辛度≦1.0

やや甘口:1.1≦新甘辛度≦1.8

甘口:1.9≦新甘辛度