汲水

【English】
Water for mashing

仕込みに使う水のことを汲水という。総米に対する汲水の割合(汲水歩合)は125~135%が標準であるが、原料米の精米歩合、室温、目標とする酒質により適宜加減する。

汲水に含まれる成分は醪の発酵と密接な関係があり、一般にカリウム、マグネシウム、クロールなどの含量の多い硬度の高い水では発酵がよく進む。これらの成分の少ない硬度の低い水では、若干の加工をすることもある。醪の発酵を進めるためには汲水歩合を大きくし、発酵を抑制するためには汲水歩合を小さくする。

尺貫法が使用されていた時代には、白米1石(150kg)当たり汲水量1石(180ℓ)の場合を十水(とみず)といい。汲水量1石1斗(198ℓ)の場合を十一水(じゅういちみず)、その中間を十半(とうれいはん)などといった。汲水歩合はそれぞれ、十水=120%、十一水=132%、十半=126%に相当する。