諸白

【English】
Moro-haku (“both white”)

麹米、掛米ともに白米を用いて造ること、もしくは造られた酒を「諸白」という。現在の清酒では当たり前の手法であるが、精米が困難であった時代には玄米を用いて酒造りが行われていた。

室町時代(1338~1573)に、奈良の寺院において、麹米・掛米とも白米を用いる南都諸白が考案されていたが、室町時代までは麹米には玄米、掛米には白米を用いた片白と呼ばれる濁り酒が一般的であった。

諸白が広まったのは江戸時代初期(1600年代前半)で、酒造りの技法開発とともに麹米・掛米とも白米を用いる伊丹諸白が製法として確立され、酸味の少ない酒が好評を得た。その後、水車精米技術が開発されることで、高精白、大量精米が可能になり、灘の隆盛を高めることになった。