高温糖化酒母

【English】
High-temperature-saccharification shubo

糖化を急速かつ効果的に行うとともに、雑菌の淘汰をも意図して高温度(55~58℃)に仕込み、酒母を純粋に育成しようとする方法で、広島県の中尾清麿により1940年ごろ考案された。甘酒速醸酒母ともいわれる。

蒸米100kgに対して、麹米50kg、汲水270~300L程度が標準の仕込配合である。55~58℃に仕込み、この温度を5~8時間持続して糖化を行い、約40℃まで急冷した後、乳酸を加えてさらに冷却を続ける。25℃近辺で酵母を添加し、20℃位で湧付かせ普通の速醸酒母と同じような経過で育成する。高温糖化酒母は糖化および冷却装置が完備しておれば汚染も少なく作業も省力化でき、酒母育成の期間も短縮される長所がある反面、設備が不充分であったり糖化時雑菌淘汰が充分行われなかった場合は活性の低い酒母となることが多く、枯らし期間が長くなると活性が低くなるなどの欠点がある。

高温糖化酒母

高温糖化酒母